結論: 決まりはない。ただし「早すぎ注意」が 1 つだけある

遺品整理をいつ始めるかに法律上の決まりはありません。 四十九日の後に始める家庭が多数派ですが、それは慣習と実務上の都合によるものです。 ただし 1 つだけ、相続放棄を検討している場合は遺品の処分を始めてはいけないという 重要な例外があります(後述)。

ケース別の適切なタイミング

状況タイミングの目安理由
持ち家で、急ぐ事情がない四十九日後〜1 周忌親族が集まる法要のタイミングで形見分け・方針の相談がしやすい
賃貸(アパート・借家)できるだけ早く家賃が発生し続ける。退去日から逆算して業者手配を
売却・解体の予定が決まっている引き渡し・着工から逆算業者依頼なら 1 か月前、自分でやるなら 2〜3 か月前が目安
相続税の申告が必要になりそう並行して早めに申告期限は相続開始から 10 か月。財産の把握に遺品の確認が必要
相続放棄を検討中手を付けない処分すると単純承認とみなされるおそれ(下記参照)

最重要の注意: 相続放棄と遺品整理

亡くなった方に借金がある(可能性がある)場合、相続放棄という選択肢がありますが、遺品=相続財産を処分してしまうと、相続を承認したとみなされて 放棄できなくなるおそれがあります(民法 921 条の法定単純承認)。 相続放棄の期限は原則「相続の開始を知ったときから 3 か月」です。 少しでも借金の可能性があるなら、片付けを始める前に 弁護士・司法書士に相談してください。この順番だけは間違えられません。

始める前に済ませておくこと

よくある質問

Q. 四十九日より前に遺品整理を始めるのは非常識ですか?

非常識ではありません。四十九日後が多いのは、気持ちの区切りと親族が集まる機会があるという実務上の理由からで、法律や宗教上の決まりではありません。賃貸の退去期限など事情があれば早めて問題なく、逆に数か月〜数年かけてゆっくり進める家庭も多くあります。

Q. なぜ相続放棄を検討中は遺品に触ってはいけないのですか?

民法 921 条により、相続財産の全部または一部を処分すると相続を単純承認したものとみなされ、相続放棄ができなくなるおそれがあるためです。形見程度の品の持ち帰りは問題ないとされる場合もありますが、線引きは個別判断になるため、借金の可能性がある場合は遺品に手を付ける前に弁護士・司法書士に相談してください。相続放棄の期限は原則「相続を知ったときから 3 か月」です。

Q. 気持ちの整理がつかず、何年も手を付けられていません。

珍しいことではありません。ただし家を無人のまま放置すると建物の傷み・税負担のリスクが増えていくので、「遺品はまだ触れなくても、家の管理と価値の把握だけはやっておく」という分け方をおすすめします。管理を続けながら、気持ちの準備ができたときに片付けを始めれば大丈夫です。

※ 相続放棄・限定承認の判断は法律相談に当たるため、当サイトでは扱えません。 個別のご事情については弁護士・司法書士にご相談ください。