「売らずに貸す」が選択肢になるとき

思い出のある実家を手放したくない、いずれ自分や子どもが使うかもしれない、 今は市況的に売りたくない — そんな場合の選択肢が賃貸活用です。 ただし賃貸は「持ち続けるコスト」を家賃で上回れて初めて成立します。 この記事では貸し方の 3 タイプ、収支の考え方、 そして借り上げ(サブリース)の注意点を整理します。

貸し方は 3 タイプ

方式手間収入空室リスク特徴
自主管理家賃の 100%自分持ち入居者対応・集金・トラブルを全部自分でやる。遠方の実家では現実的でないことが多い
管理委託家賃 −管理料(5% 前後が目安)自分持ち入居者対応を管理会社に委託。空室の間は収入ゼロ
サブリース(借り上げ)相場賃料の 8〜9 割程度が目安業者持ち業者が一括で借り上げて転貸。空室でも賃料が入るが、賃料見直し条項に注意

収支の考え方 — 家賃から引かれるもの

「家賃 8 万円なら年 96 万円の収入」とはなりません。差し引くものは:

目安として、初期リフォーム費を「何年分の手取り家賃で回収できるか」を 必ず計算してください。回収に 10 年かかるようなら、売却との比較をおすすめします。

サブリース(借り上げ)の注意点 — 法規制も知っておく

「空室でも家賃保証」が魅力のサブリースですが、過去にトラブルが多発した領域で、2020 年施行の賃貸住宅管理業法(サブリース新法)により 業者には誇大広告の禁止・契約前の重要事項説明が義務付けられています (出典: 国土交通省)。契約前に必ず確認すべきは次の 3 点です。

賃貸に向く実家・向かない実家

向かない条件に当てはまる場合は、売れない実家の 5 つの選択肢で 売却・処分ルートを検討する方が結果的に負担が軽くなります。

まず「貸せるか・いくらで貸せるか」を確認する

賃貸活用の検討は、机上の想像ではなく賃料査定・借り上げ可否の確認から 始めるのが早道です。借り上げサービスの無料相談で対象エリアか・賃料目安はいくらかを確認し、 並行して売却査定も取っておくと、「貸す vs 売る」を実際の数字で比較できます。

よくある質問

Q. 古い実家でも借り手はつきますか?

立地次第です。駅からの距離・生活利便性が良ければ、築年数が古くても賃貸需要はあります。逆に立地が弱いと、リフォームにお金をかけても回収できないことがあります。判断の出発点は「賃料がいくら取れそうか」の査定で、不動産会社や借り上げサービスの無料相談で確認できます。

Q. サブリース(借り上げ)は家賃保証だから安心ですよね?

「保証」という言葉には注意が必要です。多くのサブリース契約には賃料の定期見直し条項があり、契約期間中でも賃料が減額される可能性があります。この点はトラブルが多かったため、2020 年施行の賃貸住宅管理業法で、サブリース業者には誇大広告の禁止と契約前の重要事項説明が義務付けられました。説明内容(賃料見直し・中途解約・免責期間)を必ず確認してください。

Q. 貸すのと売るのはどちらが得ですか?

単純比較なら「(年間の手取り家賃 × 貸せる年数)と売却手取り額のどちらが大きいか」ですが、賃貸には空室・修繕・入居者対応のリスクと手間が乗ります。また、賃貸に出すと相続空き家の 3,000 万円特別控除などの売却特例が使えなくなる場合がある点も重要です。迷う場合は、売却査定と賃料査定の両方を取って数字で比べるのが確実です。

※ サブリース契約・税務(不動産所得、売却特例への影響)は個別の契約内容・条件によって 異なります。契約前に重要事項説明を確認し、必要に応じて宅建士・税理士等の 専門家にご相談ください。