全体の流れ — 相談から現金化まで 3 か月〜1 年
実家売却は「査定 → 媒介契約 → 販売 → 契約 → 引き渡し → 税務」という流れで進みます。 都市部の需要がある物件なら 3〜6 か月、地方はそれ以上かかることも珍しくありません。 相続した実家ならではの前提(名義変更・家財の処分)を含めて 8 ステップで整理します。
- 1相続登記で名義を自分にする1〜3 か月
親名義のままでは売れない
- 2複数社に査定を依頼する1〜2 週間
2〜3 社比較が鉄則。ここで成否がほぼ決まる
- 3媒介契約を結ぶ
一般・専任・専属専任から選ぶ
- 4販売活動と内覧対応3 か月〜1 年
売り出し前に家財の片付けを
- 5価格交渉と売買契約
手付金の受領・印紙税・契約不適合責任の特約
- 6決済・引き渡し
残代金と同時に所有権移転。固定資産税は日割り精算
- 7確定申告売却の翌年
売却益が出たら翌年に申告
- 8使える特例を確認する
空き家特例(3,000 万円控除)は売る前に要確認
ステップ 1: 相続登記で名義を自分にする
親名義のままの家は売れません。まず相続登記で名義を相続人に移します。 相続登記は 2024 年 4 月から義務化されており、放置にはリスクもあります。 詳細は相続登記の義務化とはをご覧ください。
ステップ 2: 複数社に査定を依頼する
売却の成否はここでほぼ決まります。査定額は不動産会社によって数百万円の差が出ることが あるため、必ず 2〜3 社以上を比較します。査定額の高さだけでなく、 「その価格の根拠(近隣の成約事例)を説明できるか」「この地域での販売実績があるか」を 見ると、信頼できる会社を選びやすくなります。
ステップ 3: 媒介契約を結ぶ
| 契約タイプ | 複数社への依頼 | 自分で見つけた買主との直接契約 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 一般媒介 | できる | できる | 需要の高い物件で競わせたい |
| 専任媒介 | できない(1 社のみ) | できる | 報告義務があり、標準的な選択肢 |
| 専属専任媒介 | できない(1 社のみ) | できない | すべて任せたい |
ステップ 4: 販売活動と内覧対応
ポータルサイト掲載・チラシ・レインズ登録などは不動産会社が行います。 売主側の準備で効果が大きいのは家財の片付けです。 残置物だらけの家は内覧の印象が大きく下がるため、売り出し前に遺品整理を済ませておくのが理想です。
ステップ 5: 価格交渉と売買契約
買主が見つかったら価格・引き渡し条件を交渉し、売買契約を締結します。 このとき手付金(売買価格の 5〜10% が一般的)を受け取り、契約書には印紙税がかかります。 古い家の場合は、設備の不具合などをめぐる契約不適合責任の範囲を 特約でどう定めるかが重要なポイントです。
ステップ 6: 決済・引き渡し
残代金の受領と同時に所有権移転登記を行い、鍵を引き渡します。 固定資産税は引き渡し日を境に日割り精算するのが慣例です。
ステップ 7: 確定申告(売却の翌年)
売却益(譲渡所得)が出た場合は、売却した翌年の確定申告が必要です。 税率は所有期間(相続の場合は親の所有期間を通算)が 5 年超なら約 20% です。
ステップ 8: 使える特例を確認する
一定の条件を満たす相続空き家の売却には、譲渡所得から最大 3,000 万円を控除できる 特例があります(昭和 56 年 5 月 31 日以前建築、相続開始から 3 年後の年末までの売却など、 細かい要件があります。出典: 国税庁タックスアンサー)。 該当しそうな場合は、売却のスケジュール自体が変わり得るため、売る前に税理士や税務署に確認してください。
費用の一覧(目安)
| 項目 | 金額の目安 | 支払うタイミング |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売買価格の 3% + 6 万円 + 消費税が上限(400 万円超の場合) | 契約時・引き渡し時 |
| 印紙税 | 売買価格 1,000 万円超 5,000 万円以下で 1 万円(軽減税率適用時) | 契約時 |
| 登記関係(抵当権抹消など) | 数千円〜数万円 + 司法書士報酬 | 引き渡し時 |
| 譲渡所得税・住民税 | 譲渡所得 × 約 20%(長期) | 翌年の確定申告 |
※ 税額・特例は個別の条件で大きく変わります。本記事は一般的な情報提供であり、 具体的な税務判断は税理士・税務署にご確認ください。
よくある質問
Q. 相続登記が終わっていなくても実家を売りに出せますか?
売買契約の締結・引き渡しには名義が売主(相続人)になっている必要があるため、相続登記は必須です。ただし査定を受けて価格を把握したり、売却方針を検討したりすることは登記前でもできます。売却を決めているなら、登記と査定を並行して進めるのが時間の無駄がありません。
Q. 遠方に住んでいても実家を売却できますか?
できます。媒介契約や売買契約は郵送・オンラインで対応する不動産会社が増えており、現地の立ち会いは最小限で済むケースが多くなっています。ただし内覧対応のための鍵の預託や、残置物(家財)の処分は事前に段取りしておく必要があります。
Q. 売却したら税金はいくらかかりますか?
売却益(譲渡所得)が出た場合に、所有期間 5 年超なら約 20%(長期譲渡所得)の税金がかかります。相続した家は親の所有期間と取得費を引き継ぎます。購入時の資料がない場合は売却額の 5% を取得費とみなす計算(概算取得費)になり税額が大きくなりがちです。一定の条件を満たす相続空き家には 3,000 万円の特別控除もあるため、売却前に国税庁の資料や税理士に確認することをおすすめします。
「そもそも仲介で売るべきか、買取に出すべきか」で迷っている方は買取と仲介はどっちが得?を、 売れる見込みが立たない場合は売れない実家の 5 つの選択肢をご覧ください。
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